私の母は80代で、認知症があります。
要介護認定では要介護1です。現在も自宅で一人暮らしを続けています。
私は長男ですが、母とは同居していません。母が住んでいるのは別の他府県で、私の自宅から母の家までは車で約2時間かかります。

「要介護1で、今も一人暮らしができているなら、まだ大丈夫なのではないか」
そう思われるかもしれません。
しかし、実際には服薬管理、物盗られ妄想、夜間外出、転倒、急な通院など、さまざまな問題が起きています。
私自身も、
「このまま一人暮らしを続けさせてよいのか」
「施設へ入ってもらった方が安全なのではないか」
と何度も考えてきました。
この記事では、認知症の母が一人暮らしを続けている現在の状況と、車で約2時間離れた場所から支えている私の介護についてお伝えします。
介護の専門家ではなく、現在も迷いながら母の介護に向き合っている家族の一例として読んでいただければと思います。
要介護1で認知症のある母の現在の状況
母の現在の状況をまとめると、次のようになります。
| 項目 | 母の状況 |
|---|---|
| 年齢 | 80代 |
| 介護度 | 要介護1 |
| 生活 | 一人暮らし |
| 認知症 | あり |
| 利用している主なサービス | 訪問介護、デイサービス |
| 家族との距離 | 車で約2時間 |
| 主な問題 | 服薬管理、妄想、夜間外出、転倒、空調管理など |
眼鏡を使えば目は見えていますが、耳は以前より遠くなりました。
日付や曜日はほとんど分かっておらず、季節の感覚も曖昧です。
一人で食事をしたり、家の中を移動したりすることはできます。しかし、生活のすべてを安全に管理できているわけではありません。
現在はケアマネジャーさんや訪問介護のヘルパーさんなどに支えてもらいながら、一人暮らしを続けています。
一人暮らしができていても安心できる状態ではない
母は今も自宅で暮らしています。
ただし、私としては「一人暮らしができている」というより、周囲の人に支えてもらいながら、どうにか一人暮らしを続けているという感覚です。
特に困っているのが、薬、妄想、夜間外出、転倒、空調管理です。
一人では薬を正しく管理できない
認知症が進むと、母だけで薬を正しく管理することが難しくなりました。
薬を飲んだことを忘れて、また飲んでしまう可能性があります。
一度に多くの薬を母のところへ置いておくと、あっという間に全部飲んでしまうこともあります。そのため、何日分もの薬をまとめて置いておくことはできません。
現在、母の場合は、基本的に担当のケアマネジャーさんが薬を管理し、少しずつ母のところへ持ってきてくれています。
ケアマネジャーさんと訪問介護のヘルパーさんが交互に母の様子を見に来てくれているため、家族だけで管理していた頃よりは安心できるようになりました。
それでも、家族が車で約2時間離れた場所に住んでいる以上、毎日自分の目で確認することはできません。
一人暮らしの認知症高齢者に、どのように薬を管理して飲んでもらえばよいのか分からず、正直、手詰まりのように感じていた時期もありました。
物盗られ妄想で近所の人を疑う
母には、物盗られ妄想があります。
財布やお金が見つからないと、向かいの家のご夫婦が盗んだと言い出すことがありました。
実際には、母が自分で財布や大切な物を隠し、そのことを忘れてしまっています。
母が物を隠す部屋には見守りカメラを設置しているため、向かいの人が家へ入って盗んでいないことは分かっています。
私が、
「誰も盗りに来ていないよ」
「自分でどこかへ片づけたのではないか」
と説明しても、母はなかなか納得しません。
母の中では「盗まれた」ということが事実になっているため、こちらがいくら説明しても考えを変えてくれないのです。
近所の人を犯人扱いすれば、当然、近所とのトラブルにもつながります。
息子としては、周囲の人に迷惑をかけてほしくないという気持ちがあります。そのため、認知症の人には否定しない方がよいと分かっていても、つい強く否定してしまいます。
また、すでに亡くなっている夫について「仕事から帰ってこない」と話すこともあります。
私にとっては父の死をもう一度説明することになりますが、母にとっては、その説明自体がつらい現実を初めて聞かされたように感じられるのかもしれません。
どのように返事をすればよいのか、今でも迷います。
夜間外出と転倒が何度も起きている
母は勝手に家の外へ出てしまうことがあります。
夜間に外出することもあり、これまでに警察に保護され、警察署まで迎えに行ったことも何度かあります。
外出先で転倒し、頭を打ったことも複数回ありました。
夜中や仕事中に警察から連絡が入ると、母の無事を心配すると同時に、
「また車で2時間かけて迎えに行かなければならないのか」
「今度こそ大きな事故になるのではないか」
という不安に襲われます。
母が外へ出たことを遠く離れた私がすぐに把握するのは難しく、夜間に何か起きた場合、家族だけでは対応しきれません。
このような出来事が続くと、本当に一人暮らしを続けてよいのか分からなくなります。
暑い日や寒い日の空調管理も難しい
母は季節の感覚が曖昧になっています。
夏なのに暖房を入れたり、冬なのに冷房を入れたりすることがあります。
私がエアコンを適切な設定にしても、いつの間にか切ってしまいます。その一方で、「暑い」「寒い」と何度も訴えます。
エアコンをつけたまま窓を全開にしてしまうこともあります。
家に行ったときには温度を確認できますが、私は車で約2時間離れた場所に住んでいます。毎日確認しに行くことはできません。
特に夏の暑い時期や冬の寒い時期は、体調を崩さないか心配になります。
遠距離介護で特に大変なのは急な通院
母が体調を崩すと、担当のケアマネジャーさんから私に連絡が入ることがあります。
必要なときには私が母を総合病院へ連れて行き、診察に付き添います。
朝から診察を受ける場合、私は早朝に自宅を出て、まず車で約2時間かけて母の家へ向かわなければなりません。
そこから母を車に乗せ、総合病院へ連れて行きます。
診察が終わる時間も分からず、検査や待ち時間で一日が終わることもあります。
こうした病院への付き添いが、月に1回程度発生することもありました。
月1回と聞くと、それほど多くないように感じるかもしれません。しかし、片道約2時間かけて母を迎えに行き、病院へ連れて行って診察に付き添い、再び母を家へ送り届けてから自宅へ戻るのは、かなりの負担です。
仕事の予定も変更しなければなりません。
離れて暮らす親の介護では、普段は一緒に住んでいなくても、何か起きたときに一日がかりで対応することになります。
いつ連絡が入るか分からないことも、精神的な負担になっています。
ケアマネジャーさんとヘルパーさんに支えられている
現在の母の生活は、家族だけでは成り立ちません。
担当のケアマネジャーさんが母の状態を確認し、何かあれば私に連絡をしてくれます。
薬についても、母が一度に飲んでしまわないように管理し、少しずつ持ってきてくれています。
訪問介護のヘルパーさんも母の様子を見に来てくれています。
母の介護認定更新については、担当のケアマネジャーさんが役所で手続きをしてくれることになりました。
私は当初、ケアマネジャーさんが具体的に何をしてくれる人なのか、よく理解していませんでした。
しかし、離れた場所に住む家族にとって、母の近くで状態を見てくれる人がいることは非常に心強いです。
もちろん、ケアマネジャーさんやヘルパーさんにお願いすれば、すべての問題が解決するわけではありません。
夜間の外出や急な体調不良など、現在の支援だけでは対応しきれないこともあります。
それでも、家族だけで抱え込んでいたら、私はもっと早い段階で限界を迎えていたと思います。
グループホームを見学したが、まだ申請していない
母の夜間外出や転倒、服薬管理、妄想などが増えたため、私はグループホームへの入所も考えるようになりました。
実際に複数のグループホームを調べ、いくつかの施設を見学しました。
ただし、現時点では入所の申請をしていません。
施設に入れば、今より安全に暮らせる可能性があります。
一方で、母は長く自宅で暮らしてきました。認知症がある母に、グループホームへ入ることをどのように説明すればよいのか分かりません。
「ちょっと泊まってみよう」と伝えて施設へ連れて行き、実際にはそのまま入所してもらう方法もあると聞きます。
しかし、本人が十分に理解していない状態で、事実上そのまま入所させることに、私は抵抗があります。
母の安全を優先するなら、施設を考えた方がよいように思います。
その一方で、本人の意思をどこまで尊重すべきなのかという迷いがあります。
施設を見学したからといって、すぐに決断できるほど単純な問題ではありませんでした。
要介護1のままでよいのか迷っている
母は現在も要介護1です。
しかし、要介護1の認定を受けた当時と比べると、状態は悪くなっているように感じます。
夜間に外へ出ることがあります。
何度も転倒し、頭を打ったこともあります。
物盗られ妄想や、亡くなった夫が帰ってこないという誤認もあります。
薬や空調も一人では正しく管理できません。
そのため、要介護認定の区分変更を申請した方がよいのではないかと考えたことがあります。
特別養護老人ホームへの入所も、今後の現実的な選択肢として調べています。
それでも、現在まで区分変更の申請はしておらず、要介護1のままです。
「まだ自宅で暮らせているから大丈夫なのか」
「大きな事故が起きる前に、もっと支援を増やすべきなのか」
その判断ができずにいます。
認知症の母に優しくできない自分が嫌になることもある
母は、私が昔から知っている母とはずいぶん変わりました。
以前はとても優しく、人に気をつかえる母でした。
しかし、認知症が進むにつれて、物事を悪く受け取ったり、人の悪口を言ったりすることが増えました。
特に息子である私に対しては、急に怒り出したり、激しい口調で責めたりすることがあります。
暴力を振るわれることはありませんが、何度も同じことを言われたり、事実と違うことで責められたりすると、私も冷静でいられなくなります。
認知症の人の言うことを否定せず、話を聞いてあげた方がよいことは分かっています。
他人であれば、もう少し優しく対応できるかもしれません。
しかし、自分の母親となると、
「近所の人に迷惑をかけないでほしい」
「危ないことをしないでほしい」
という気持ちが先に出てしまいます。
母と言い争いになり、ひどいことを言ってしまった後で、自己嫌悪に陥ることもあります。
次に会うときには、
「今日は優しくしよう」
と思います。
しかし、母は前回の口げんかをすでに忘れています。こちらが優しくしたつもりでも、母には悪い意味に受け取られ、また怒り出すこともあります。
介護する家族も人間です。
いつも冷静に、いつも優しく対応することは、私にはできていません。
今も一人暮らしを続けることが正しいのか分からない
現在も母は一人暮らしを続けています。
ケアマネジャーさんやヘルパーさんに支えてもらい、訪問介護やデイサービスも利用しています。
見守りカメラや紛失防止タグなども使いながら、離れた場所からできることを増やしてきました。
それでも、すべての問題が解決したわけではありません。
夜間外出を完全に防ぐことはできていません。
転倒や頭部打撲への不安も残っています。
物盗られ妄想による近隣トラブルも心配です。
薬や空調を一人で管理することも難しい状態です。
グループホームを見学しましたが、まだ入所申請はしていません。
一人暮らしを続けることが母にとって幸せなのか、施設へ入ることが母のためになるのか、今も答えは出ていません。
まとめ
私の母は80代で認知症があり、要介護1の現在も一人暮らしを続けています。
私は長男ですが、母の家から車で約2時間離れた他府県に住んでいます。
遠距離で母の介護に関わる中で、次のような問題に直面しています。
- 一人では薬を正しく管理できない
- 物盗られ妄想で近所の人を疑う
- 亡くなった夫が帰ってこないと話す
- 夜間に外出して警察に保護される
- 外出先で転倒し、頭を打つ
- 季節や気温に合った空調管理ができない
- 急な通院付き添いに一日かかる
- 要介護1のままでよいのか判断できない
- 施設へ入ってもらうことへの葛藤がある
介護には、家族ごとに異なる事情があります。
私自身も、母の一人暮らしをこのまま続けるべきなのか、まだ答えを出せていません。
このブログでは、うまくいったことだけでなく、迷っていること、失敗したこと、母に優しくできなかったことも含めて、家族として経験した介護をお伝えしていきます。
同じように、離れて暮らす親の介護や、認知症の親との関わり方に悩んでいる方にとって、一つの事例として参考になれば幸いです。
