認知症の母の見守りにTapo C113を導入|ネット環境のない実家で使った体験

認知症の母の家に設置したTapo C113を離れて暮らす息子がスマートフォンで見守るイメージ

私の母は80代で、認知症があります。

現在は要介護1で、一人暮らしを続けています。

私は母とは別の他府県に住んでおり、母の家までは車で約2時間かかります。

母の認知症が進む中で、特に困ったことの一つが、財布やお金、大切な物を自分で隠し、その場所を忘れてしまうことでした。

母は物が見つからなくなると、

「向かいの家の人が入ってきて盗んだ」

と訴えるようになりました。

何度説明しても納得せず、近所の方を泥棒扱いして迷惑をかけることもありました。

そこで私は、母がどこに財布などを隠したのか確認するため、TP-Linkの見守りカメラ「Tapo C113」を1台導入しました。

母の家にはインターネット回線がなかったため、カメラを使うためにポケットWi-Fiも契約しました。

この記事では、認知症の母の家にTapo C113を設置した理由、ネット環境のない実家で使い始めるまでの流れ、実際に使って感じたメリットと限界を、家族の体験としてお伝えします。

目次

認知症の母に見守りカメラを導入した理由

最初から、母の日常生活を見守る目的でカメラを設置しようと思ったわけではありません。

導入の直接的なきっかけは、母の物盗られ妄想でした。

母の物盗られ妄想が始まり、私が認知症を確信するまでの経緯は、別の記事で詳しくお伝えしています。

財布やお金を自分で隠して忘れてしまう

母には、財布やお金、大切な物を盗られないように、自分でどこかへ隠す癖があります。

認知症になる前から多少はその傾向があったのかもしれませんが、認知症が進んでからは、隠したこと自体を忘れるようになりました。

財布が見つからない。
お金がない。
大切な物が置いてあった場所からなくなっている。

すると母は、自分で隠した可能性を考えず、

「向かいの家の人が勝手に入ってきて盗んだ」

と強く訴えます。

私が、

「誰も家には入っていないと思うよ」

「自分でどこかに片づけたのではないの」

と説明しても、母の考えは変わりません。

母の中では、本当に近所の人に盗まれたことになっているからです。

近所の方へ迷惑をかけることが心配だった

家の中で財布が見つからないだけなら、家族で探せば済むかもしれません。

しかし、母は向かいに住むご夫婦を具体的に疑っていました。

実際には何もしていない人を犯人扱いすれば、近所との関係が悪くなります。

母が直接苦情を言ったり、警察へ相談したりする可能性もあります。

私は母の話を聞くたびに、

「本当に誰かが入った可能性はないのか」

「また母が自分でどこかに隠しただけなのか」

を確認しなければなりませんでした。

そのたびに車で約2時間かけて実家へ行くこともできません。

そこで、母が普段どのような行動をしているのか、必要なときに確認できるカメラを設置しようと考えました。

Tapo C113を選び、母の家に1台だけ設置した

私が導入したのは、TP-Linkの「Tapo C113」です。

Tapo C113は、スマートフォンのTapoアプリから映像を確認できるWi-Fiカメラです。

公式情報では、2K・300万画素の撮影、人物や動きの検知、双方向通話、最大512GBのmicroSDカードへの録画などに対応しています。映像の確認にはスマートフォン用のTapoアプリを使用します。

ただし、私は製品のすべての機能を使いこなすことを目的に選んだわけではありません。

私が必要としていたのは、主に次のことでした。

  1. 母が財布などをどこへ隠したか確認する
  2. 誰かが家へ入っていないか確認する
  3. 離れた場所から母の様子を確認する

カメラを設置したのは1部屋だけ

母の家のすべての部屋にカメラを設置したわけではありません。

母が財布や大切な物を隠す部屋は、ある程度決まっていました。

そのため、その部屋にだけTapo C113を1台設置しました。

家中にカメラを設置すれば、確認できる範囲は広くなります。

しかし、母にも生活があります。

必要以上に撮影範囲を広げることには抵抗がありました。

カメラの台数を増やせば、費用だけでなく、確認する映像の量も増えてしまいます。

そこで私は、まず最も必要性が高い1部屋に限定しました。

母の家にはインターネット環境がなかった

Tapo C113を利用するには、カメラをインターネットへ接続する必要があります。

しかし、母の家には固定のインターネット回線がありませんでした。

母はスマートフォンも持っていません。

普段の連絡は、私がスマートフォン、母が固定電話を使って通話しています。

見守りカメラを使うためだけに、固定回線の工事を申し込むべきか迷いました。

工事の日程を調整したり、母に工事へ立ち会ってもらったりすることを考えると、簡単ではありません。

そこで私は、ポケットWi-Fiを契約して母の家に置くことにしました。

母の家に設置したTapo C113をポケットWi-Fi経由で離れて暮らす息子のスマートフォンから確認する仕組みの図解

ポケットWi-Fiなら回線工事が不要だった

ポケットWi-Fiは、端末を家に置いて電源を入れ、Wi-Fiへ接続することで使用できます。

固定回線のような工事は必要ありませんでした。

カメラの設定は私が母の家へ行ったときに行いました。

機械の設定が特別得意というわけではありませんが、Tapoアプリの案内に従って進めることで、私自身で設置できました。

TP-Link公式の一般的な設定方法も、Tapoアプリをダウンロードし、TP-Link IDでログインした後、アプリの案内に従ってカメラをWi-Fiへ接続する流れになっています。

わざわざ業者へ工事を依頼せず、自分で導入できたことは助かりました。

ポケットWi-Fiの通信量には注意が必要

私の環境では、ポケットWi-Fiを使ってカメラを利用できています。

ただし、どのポケットWi-Fiや料金プランでも問題なく使えるとは限りません。

TP-Linkは、Tapoカメラが外部サーバーとの通信などで1日あたり数十MBを使用するため、容量制限が厳しい回線は推奨していません。また、クラウド録画サービスを利用すると、より多くの通信量を使用すると案内しています。

ポケットWi-Fiを選ぶ際には、次の点を確認した方がよいと思います。

  • 毎月利用できる通信量
  • 速度制限の条件
  • 母の家で電波が入るか
  • 端末を常時電源へ接続して使えるか
  • カメラが使用するWi-Fiの周波数帯に対応しているか

特に母の家のように地方にある場合は、契約前に利用エリアを確認することが重要です。

Tapo C113を設置して最初に役立ったこと

カメラを導入した当初の目的は、母が財布などをどこへ隠したのか確認することでした。

母から、

「財布がない」

「また向かいの人に盗られた」

と電話がかかってきたとき、録画された映像を確認します。

映像の中で、母が財布を持って移動している場面を探し、最後にどこへ置いたのかを確認しました。

母の家へ行ったときに財布を見つけやすくなった

カメラで財布の場所が分かっても、私が遠くにいると、その場ですぐに母へ正確な場所を伝えられないことがあります。

母へ固定電話で、

「棚の右側を見て」

「箱の下に入れていない?」

と伝えても、うまく探せないことがあるからです。

それでも、次に母の家へ行ったときには、カメラで確認した場所を探せます。

以前は家中を手当たり次第に探していましたが、設置後は探す範囲を絞りやすくなりました。

母が自分で隠していたことが分かれば、少なくとも誰かが家へ入って盗んだわけではないと、私は確認できます。

近所の人が盗んでいないことも確認できた

カメラを設置した部屋については、向かいの家の人が入ってきていないことも確認できました。

ただし、映像を母に見せたり、

「ほら、誰も入っていないでしょう」

と説明したりすれば、物盗られ妄想がなくなるわけではありません。

母が「盗られた」と信じているときは、こちらが証拠を示しても納得してくれないことがあります。

カメラは、母の認知症や妄想を治すものではありません。

私にとっては、事実を確認し、財布などを探す手がかりを得るための道具です。

財布探し以外の日常的な見守りにも役立っている

最初は、母が物を隠した場所を探すために導入したカメラでした。

しかし、使い続けるうちに、母の日頃の様子を確認する見守りカメラとしても役立つようになりました。

私は母と車で約2時間離れて暮らしています。

毎日、直接顔を見に行くことはできません。

電話をかけても出ないときがあります。

そのようなときにカメラを確認し、母が部屋で動いている様子が見えれば、少し安心できます。

母の現在の一人暮らしや、離れた場所から支えている状況については、別の記事で詳しくお伝えしています。

カメラがあることで少し安心できる

離れて暮らしていると、

「今日は無事に過ごしているだろうか」
「また転倒していないだろうか」
「体調を崩していないだろうか」

と心配になります。

カメラを設置したことで、必要なときに様子を確認できるようになりました。

もちろん、設置した1部屋の映像しか確認できません。

カメラに映っていないからといって、母が安全だとは限りません。

それでも、何も確認する方法がなかった頃と比べると、離れて暮らす私の不安を少し減らしてくれました。

実際に使って分かった見守りカメラの限界

Tapo C113を導入して助かったことはあります。

一方で、カメラを設置すればすべての問題が解決するわけではありませんでした。

録画を最初から確認するのは時間がかかる

母が財布をどこへ隠したのか調べるには、録画映像を確認しなければなりません。

いつ隠したのか分からなければ、長い時間の映像をさかのぼる必要があります。

財布を手にしている場面を見つけても、母の体や家具に隠れて、置いた場所まで確認できないこともあります。

カメラを導入したことで手がかりは増えましたが、毎回すぐに答えが分かるわけではありません。

映像を確認する時間が取れないこともありました。

そのため、私は後に、財布そのものを探しやすくするためAirTagも導入しました。

AirTagを導入した体験については、別の記事で詳しくお伝えする予定です。

カメラに映らない場所は確認できない

私が設置したカメラは1台だけです。

母が別の部屋へ財布を持って行けば、その先は映りません。

家具の陰やカメラの死角に置いた場合も、正確な場所までは分かりません。

見守りカメラを設置する場合は、

  • どの場所を確認したいのか
  • 何を目的に設置するのか
  • カメラの視野に入る範囲
  • 電源やWi-Fi電波が届くか

を考えて場所を決める必要があります。

夜間外出や転倒を完全には防げない

母には夜間外出や転倒の問題もあります。

しかし、部屋にカメラを1台置いただけでは、母が家から出ることを完全に防げません。

転倒した瞬間がカメラに映るとも限りません。

見守りカメラは、介護職員や家族が直接見守ることの代わりになるものではないと思います。

あくまでも、遠くから状況を確認するための補助的な道具です。

Tapo C113の公式ページにも、製品が侵入や盗難そのものを防止するものではない旨が記載されています。

認知症の親にカメラを設置するときに考えたこと

家族であっても、生活している部屋へカメラを設置することには慎重になる必要があります。

認知症があるからといって、本人のプライバシーを考えなくてよいわけではありません。

設置前に母本人へ確認した

見守りカメラを設置する前に、私は母本人へ、カメラを置いてもよいか確認しました。

認知症があるからといって、家族である私の判断だけで、母が生活している部屋を撮影してよいとは思わなかったからです。

私が見守りカメラを設置したい理由を説明すると、母は、

「その方が安全だから、そうしてほしい」

という反応でした。

母本人の同意を得られたため、財布や大切な物を隠すことが多い部屋に、カメラを1台だけ設置しました。

カメラの目的は母を監視することではなく、財布などをどこへ置いたのか確認したり、離れた場所から母の無事を確認したりすることです。

本人の認知症の状態や理解力は家庭によって異なりますが、可能であれば、設置する理由や撮影する場所を本人へ説明してから導入することが大切だと感じています。

撮影範囲は、母が財布などを隠すことが多い部屋だけに限定しました。

トイレや浴室など、強いプライバシーが必要な場所には当然設置していません。

また、家族以外の人が映る可能性もあります。

訪問介護のヘルパーさんなど、母の家を訪れる支援者がいる場合は、カメラが設置されていることへの配慮も必要です。

家庭ごとに事情は異なりますが、見守りの必要性だけでなく、

  • 本人の気持ち
  • 撮影する場所
  • 映像を確認できる人
  • 録画データの管理
  • 訪問する介護関係者への配慮

も考えたうえで導入した方がよいと思います。

Tapo C113を導入してよかったと感じる人

私の体験から考えると、見守りカメラは次のような家庭で役立つ可能性があります。

  • 認知症の親と離れて暮らしている
  • 親が物を隠し、その場所を忘れる
  • 電話に出ないときに様子を確認したい
  • 家族が毎日訪問することが難しい
  • 確認したい部屋や場所がある程度決まっている
  • 親の家にWi-Fi環境を用意できる

一方で、カメラを設置するだけで、認知症の親の安全をすべて守れるわけではありません。

カメラだけに頼らず、ケアマネジャーさん、訪問介護、デイサービス、地域の支援などと組み合わせる必要があります。

まとめ

私は、認知症の母が財布やお金を自分で隠し、近所の人に盗られたと訴えるようになったことをきっかけに、Tapo C113を導入しました。

母の家にはインターネット環境がなかったため、カメラを使うためにポケットWi-Fiも契約しました。

固定回線の工事をせず、私自身で設定できたことは助かりました。

実際に使ってみると、次のような点で役立っています。

  • 母が財布などを隠した場所を調べる手がかりになる
  • 誰かが家へ入っていないことを確認できる
  • 母の家へ行ったときに財布を探しやすくなる
  • 離れた場所から母の日頃の様子を確認できる
  • 母が電話に出ないときの不安を少し減らせる

一方で、録画を確認するには時間がかかります。

カメラに映らない場所もあります。

夜間外出や転倒を完全に防ぐこともできません。

見守りカメラは、認知症介護の問題をすべて解決する道具ではありません。

それでも、車で約2時間離れて暮らす私にとっては、母の状況を確認するための一つの手段になっています。

最初は財布を探すために導入したカメラでしたが、今では母の日常を遠くから見守るためにも役立っています。

※この記事は、認知症の母を介護する家族がTapo C113を使用した体験を紹介したものです。通信環境や製品の利用条件、必要な見守り方法は家庭によって異なります。製品の最新仕様はメーカー公式情報を確認し、介護上の不安については担当のケアマネジャーや地域包括支援センターなどへご相談ください。

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